2021年"さいちゃれ"が目指すもの


”さいちゃれ”が目指すもの

人生100年時代を生きる都市型アクテイブシニア(「60代からの若者」)に対し、社会的要請とシニアのニーズに適応した継続して活躍できる場の提供とプロジェクト活動によるやりがいの場を提供し、能力と個性に適した就労マッチング情報の提供に繋げる活動をいよいよ本格的に活動してまいります。 

(背景)
私たちが、仕事や子育てから解放されシニアの世代となり、待ち受けた現実は次のようなものでした。


 ①年齢というただ一つの理由だけで、「退職」という今までの生き方をすべて変えねばならない社会環境の変化 (従来はハッピーリタイアメントとして考えられたが・・)
 ②退職後の第2の人生を自己実現の場として活躍の場を求めた場合、あるのはキャリアの否定と、単純作業の提供という現実(特定のキャリアの人にとっては当然別の事ではあるが・・)
 ③多くの退職者にもたらされるのは、日がな「テレビ漬け」といった孤独の現実(イギリスでは既に孤独担当大臣も任命されている)


結果として、リタイアしたシニアにとっては現実の社会からは距離を一歩退き、行く場所もなく、一日中テレビを相手に過ごす孤独な生活をイメージさせます。そんな反面、一日の多くをテレビを見続けるリタイア組にとっても働く機会さえあればとの思いは強く、また小規模零細企業にとってはそんなキャリアを持つ人材が欲しいと言う現実もまた存在しています。
脚本家の倉本聰氏は『60代の若者たちへ』のメッセージにおいて老いてフェードアウトしていく中で、大切なのは長く生きることより、どのように生きるかということ、と言っています。


私たちがシニアと呼ばれる世代となり、今感じるのは、比較的自由なライフスタイルをもつことも可能であり、社会活動参加や趣味で余暇を過ごす世代となった今、このようなネガテイブな評価に対しては、強い疑問を抱かざるをえません。多様な価値観や自由なライフスタイルを好む私たちの価値観を都市型アクテイブシニアと言うならば次のような特徴を持つと思います。
 ①PC・スマホを充分に利用し、ネット通販を楽しむだけでなく、FacebookやLineなどのSNSツールを使って情報発信を楽しみ、ICT環境に充分になじんでいる。
 ②どのように生きるかを尊重し、流行度の高い感度を持ち、自分の価値とマッチする社会貢献を考えている。

これらのことから高いスキルを持ち、多様な価値観を持つ「60代からの若者」にとってはその能力を生かす場の提供さえあれば、社会から孤立することなく、活躍し続けることが出来ると私たちは思っています。


2021年の”さいちゃれ”活動は、前年に引き続き、「学び直し」と「再チャレンジ」をベースに自分探しを主たる目的として学んだ、立教セカンドステージ大学を卒業したメンバーを中心に据え、これら「60代の若者」に対し、社会で活躍し続けることのできる場の提供、自分の思いを達成することのできるやりがいの場の提供、そしてそれを達成するためのスキル再構築の場を提供する活動に取り組んでまいります。


(2020年のさいちゃれ活動)



  2020年度は設立より4年目を迎え、活動の充実を目指しましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの社会活動が停止することになり、”さいちゃれ”においても、対面で予定した事業については、全ての活動の中止を余儀なくされました。しかし、そのような状況下においてもプロジェクト活動として、2020年6月に正式に「フィリピンに本をおくる会」と合流、「フィリピンに本をおくる会の活動」として”さいちゃれ”でのプロジェクト活動の中心事業として積極的に展開してまいりました。当活動は、私達との合流以前、その存続が高齢化により懸念されていたという状況もあり、実施プロセスについてはその多くがアナログによって実行されていました。そこで“さいちゃれ”は、コロナ感染下でも可能な活動として、次のとおりICT化とデータのナレッジ化を推進しました。

1)手書き翻訳ラベルのデジタル化
  (翻訳作業の効率化と、翻訳エラーの排除)
2)翻訳ボランテイアの国際化
  (フィリピン在住フィリピン人によるボランテイア支援)
3)翻訳作業のクラウド化
  (Gドライブを活用してのデータ共有)
4)SNSを活用した現地ボランテイアとのコミュニケーション
  (数か月のタイムログを、リアルタイムコミュニケーションに改善)   
5)現地ボランテイアへの支援金送金のオンライン送金
 (安全、安価なリアルタイム送金を実現) 
6)あむあむSHOP Open
 その他特筆する事項としては、プロボノ支援として、カンボジア「OSAKA Bakery」FBサイトの構築、2021年3月に実施された社会貢献見本市での受賞、コロナ感染規制解除のもと、「あむあむニット販売会」の開催を唯一1回、11月に実施し、フィリピンに本をおくる会の活動を資金面で支えることができました。 また、“さいちゃれ”が目指す3つの目標を、よりシンプルにイメージする事を目的に“さいにちゃれ”ロゴについても刷新いたしました。


(シニアの再チャレンジを支援する会の2021年度活動方針)


  2021年度活動は、前年に引き続き、「フィリピンに本をおくる会の活動」をプロジェクト事業の中心に据え、昨年度実施ができていなかった、翻訳原稿のデータ化、翻訳ボランテイアの充実、現地マガタのボランテイアより希望のあった翻訳本を作るプロセスの改善等を実施してまいります。また、当活動の代表である金子さんの長年の夢である、マガタ第二図書館の再建計画を、設計も含めての立案を目指します。(当計画立案については、現地スタッフ、フィリピンボランテイア、”さいちゃれ”との共同事業で展開の予定です。)

◎2021年度は前年に引き続き、”さいちゃれ”活動の3本の柱である「社会活動の為の再教育(さいちゃれ講座)」「社会で活躍する場の紹介(マッチング事業)」「活躍に参加いただくプロジェクト事業の展開」の更なる充実を目指します。

さいちゃれが行う三つの活動

①マッチング事業をとおし、社会で活躍し続けることの出来る場の提供を行います。
 ・社会と会員の活躍の場を結びつけるため、外部機関と連携したよりよいマッチング事業を行ってまいります。


②プロジェクト事業をとおし、自分の思いを達成することのできるやりがいの場を提供いたします。
 ・さいちゃれは会員からの積極的、自発的なプロジェクト提案を求めます。一定の条件を満たすプロジェクトには、さいちゃれは持てるインフラを提供し、積極的に活動支援いたします。
 (さいちゃれ支援の詳細はプロジェクトのページで説明いたします)


③さいちゃれ講座をとおし、第二のステージで再活躍するためのスキル再構築の場を提供いたします。なお2021年は前年に引き続き、コロナ感染拡大の影響もあり、感染の推移を見極めた上、開始は後半以降に予定いたします。
 ・立教セカンドステージ大学の現役生及び修了生を中心に、都市型シニアが社会参画に一歩踏み出すための準備として、“さいちゃれ”が自ら開設する講座である「IT講座」を提供いたします。
 ・社会に貢献したい気持ちをソーシャルビジネスやプロボノとして立上げる事業を支援するため、有力な外部機関と連携し、「ソーシャルビジネス講座」「NPO法人設立講座」「生きがい創造講座」等を開設予定です。
 ・連携講座としては、立教セカンドステージ大学の現役生及び修了生を対象とした「ユリイカの会」の講座と連携しています。
・講演活動としては、あむあむのニット販売活動を支援する為、10月よりKATE SALONにおいて、「ニット教室の開校」を既に予定しています。

さいちゃれ活動評価

2021年活動については、参加会員の満足、実施プロジェクトの評価、マッチング企業・団体等からさいちゃれ活動が、適切に評価されるプロセスの構築を目指します。
2020年はコロナ感染拡大による事業縮小の為、 活動評価は実施していません。なお本年も、コロナ感染拡大の状況により、活動の縮小が余儀なくされた場合には、前年同様活動評価は実施いたしません。

プロジェクト実施評価

プロジェクト運営については、黒字で運営されることを前提にします。よってPlan-Do-Check-Actを励行し、プロジェクト運営評価(活動計画評価・活動実績評価(1サイクル3年での実績評価)・継続事業評価)を行います。この評価は3年を一区切りとし、今後の活動の継続についても評価を行います。


結果として私たちの会員活動がロールモデルになり「60代からの若者」が社会に増え続けることを目指します。

 シニアの再チャレンジを支援する会  会員一同